●木戸邦彦(Kunihiko Kido)さん
大阪府出身。府内の高校を卒業後、カナダ・バンクーバーへ語学留学。グリフィス大学ディプロマを経て学部で観光学を学び、現在は大阪府の箕面自由学園高等学校で英語教諭として働く。

英語教育や、校内の留学プログラムに携わる


―現在のお仕事について教えてください
箕面自由学園高等学校の教諭として英語を教えています。国際交流推進部の部長も兼任しているので、学校内の留学プログラムにも関わっています。

本校は任意で参加できる留学プログラムが充実していて、研修先はニュージーランド、フィリピン、台湾、韓国、カンボジアなどさまざまです。

私自身、新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染拡大までは、ニュージーランド・オークランドにある現地高校への語学研修に生徒を引率していました。

また、今後さまざまな国での研修プログラムも作りたいと考え、オーストラリアやタイの高校と現地で交渉したこともあります。

コロナ拡大に伴い、2020年からはオンライン留学プログラムを始めました。

オンライン留学プログラムでは、マンツーマンでの英会話レッスンやプレゼンテーションのほか、PBL(Project Based Learning、課題を通して能動的に学ぶ教育方法)でフィリピンの起業家に話を聞いたり、オークランドの高校生と交流したりするなどのカリキュラムが組まれています。

こうした機会を通して、海外留学という選択肢もあることを生徒たちに知ってもらえたらと思います。
ーどんな時にお仕事のやりがいを感じますか?
授業中などに自分の留学の話をすることもあるのですが、それをきっかけに生徒が留学に興味を持ってくれたり、相談に来てくれたりすると嬉しいですね。中には、私の母校であるグリフィス大学へ進学した生徒もいます。
ー留学を身近に感じられる環境ですね。木戸さんの留学の経験が、お仕事に活かされていると感じます!
ありがとうございます。そのほか、オープンキャンパスなどの際に大勢の前で抵抗なく話すことができるのも、留学が仕事に活きている点だと思います。

留学中の英語でのプレゼンテーションなどの機会を通して人前で話すことへの度胸がつき、「英語でもできたのだから日本語でできないはずがない」という気持ちがあります。このようなある種の図々しさも、留学で培われたかもしれません。

カナダでの語学留学を経て、グリフィス大学留学へ


ー留学のきっかけを教えてください。オーストラリア留学前は、カナダで語学留学をされたそうですね
はい。高校生の頃から漠然と海外に住みたいと思っていたこともあり、卒業後はバンクーバーで1年間過ごしました。知人のつながりの関係でたまたまバンクーバーを選びました。

その後、せっかく身に付けた英語力を無駄にしたくないと思い、大学留学を目指すことにしました。
ー進学先としてオーストラリアを選んだ理由は?
観光学を学べる大学を調べたところ、オーストラリアの大学が挙がっていたからです。

そして、オーストラリア留学フェアに参加し、出展していたグリフィス大学の説明を聞いて「ここしかない!」と感じました。

グリフィス大学は、出展ブースが大きく情報が充実していました。また生徒数が多く、規模が大きい印象を受けました。さらに、キャンパスからビーチまでバスで15分という説明を聞き、環境にも魅力を感じました。

そこで、グリフィス大学のディプロマから学部へ編入し、ゴールドコーストキャンパスで留学生活を送りました。
ー観光学を専攻した理由を教えてください
旅行が好きで、勉強しやすそうだと思ったからです。ただ、留学中は死ぬほど勉強したので、実際は想像とは全然違いましたが(笑)

グリフィス大学卒業後、日本で教員免許を取得し現職へ


ー卒業後のキャリア選択について教えてください
最初は、専攻を活かそうとアジア圏でのホテル就職を考えていたのですが、同時に教職にも興味を持ちはじめました。

教職は、両親が教師をしていたため身近な職業でした。また、グリフィス大学を卒業後、日本での英語の授業のアシスタントボランティアを経験し、興味を抱きました。

そこで、ホテルに履歴書を送り反応を待ちながら、日本の教員免許取得のための通信教育にも応募しました。先に返事をもらえた方に進もうと思っていたところ、通信教育の手続きが進んだので、教職の道を選びました。

その後、日本でアルバイトをしながら、2年間かけて日本の大学卒業資格と中学・高校の英語課程の教員免許を取得しました。
ー教員免許取得後の就職活動について教えてください
公立と私立で異なりますが、私立高校を希望していたので、各学校のホームページの求人情報を探して応募しました。

箕面自由学園高等学校のホームページで、たまたま応募締切日の前日に求人を見つけて、ひとまず応募をしたのですが…そこから今に至っているので、縁を感じますね。

留学が自信につながり、自分の可能性を広げた


―留学が活きていると感じることは?
大変なことが多く、精神的に鍛えられたと思います。勉強の面では、単位を落としてしまったらその分費用もかかってしまう、というプレッシャーもありましたし、生活面ではホームシックもありました。

当時は学生でお金もなく、遠くへ行けず現実逃避ができない、オーストラリア大陸から出られない…そんな気がして孤独や閉塞感を抱きました。

この先、あれ以上大変なことは起こらないのではないかと思っています(笑)

そうした経験を乗り越えたことが、自分の核になる自信につながりました。だからこそ今、どこでも働ける、どこでもやっていけるという気持ちの余裕があります。

いつか海外で働くことにも少し興味があります。このように思えるという意味でも、留学によって自分の可能性が広がったと思います。

留学のない人生は想像できない

留学を通して日本を外から見たことで、日本の良さを再認識することもできました。

たとえば、留学中はオーストラリア人のルームメイトと4人でシェアハウスをしていたのですが、彼らの使用後は共用のシャワーが汚くて(笑)

もちろん個人差はあると思いますが、話をする中で、掃除の習慣の違いが関係しているのかもしれないと感じました。

オーストラリアの学校では、学校が掃除係を雇うそうですが、日本の学校では生徒が掃除をしますよね。こうした小さい頃からの習慣もあって、日本人は公共の場を清潔に維持することを自然に意識できるのではないか、それは日本の教育のすごいところではないかと感じました。
ー木戸さんにとって留学とは?
ないことが考えられないものです。もし留学をしていなかったら、違う仕事に就いていたと思いますし、今のように自信を持って生きてはいなかったと思います。

ちなみに、私の留学をきっかけに弟も留学をしました。そういう(周囲の環境を含めた)意味でも、留学がなければどんな人生だったのだろう、と思うと…想像できません。
ーオーストラリア留学は、木戸さんの周りの方々の人生にも大きな影響を与えたのですね。これから留学をする方にアドバイスをお願いします
「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉がありますが、留学はまさしくその通りだと思います。

留学中は正直楽しかったことより苦労の方が多かったですが、その経験が今の私を作っていると思います。

それとコロナ禍で痛感していることは「行ける時に行け」です。留学できる境遇にいるだけでラッキーだと思います。

留学のハードルは思っているより高くはないと思うので、ぜひチャレンジしてほしいと思います。

取材後記

「留学は英語圏だけではないので、生徒が行きたい場所に行けるように情報を与えていきたい」と話す木戸さん。
さまざまな選択肢を知り、自分の目指す道へ進む学生さんがこれからも増えてほしいなと思いました!

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