●林 亮典(Ryosuke Hayashi)さん
三重県出身。日本の高校からニュージーランドの高校へ編入。グリフィス大学ファウンデーションコースを経て学部で中国語・韓国語を学ぶ。韓国の大学院に進学し現地で就職後、現在はニュージーランドで会計学を勉強中。

原点のニュージーランドに戻り、公認会計士を目指して勉強中

現在、ニュージーランドのポリテクニック(オーストラリアのTAFEに相当する教育期間)で、会計学の修士を学んでいます。

ニュージーランドで公認会計士になるには、まず決められたコースを修了して準会員に申し込み、何年か実務経験を積みながら規定のオンラインプログラムを修了する必要があります。

今のコースを修了後は、卒業ビザの取得準備を進めながら、現地での公認会計士に向けたキャリア形成を目指す予定です。

ちなみに会計学を勉強すると、会計士として働くだけではなく、知識そのものが他のキャリアにも役に立つと思います。

例えば、会計学を修了した友人の中には、飲食店の経営者になりビジネス関連のビザで永住権を取得した人も。

また僕自身が社会人として働いていた時、会社の業績などを理解する上でも会計学を勉強した方が良いのではないかと感じ、専門として選んだ面もあります。
―会計学はビジネスの幅を広げるのですね。なぜニュージーランドで勉強しているのですか?
永住権や就労ビザを比較的取得しやすいのではないかと感じたからです。ニュージーランドで市民権を取得すると、オーストラリアで働くこともできるので、選択肢も広がります。

また、高校時代をニュージーランドで過ごしたので、人生の原点に戻ってみようと思いました。

友人の留学をきっかけに、日本からニュージーランドの高校へ編入

―高校留学のきっかけを教えてください
高校1年生の冬、友人がニュージーランドへ留学することになったのですが、その後も連絡を取り合い現地の様子を知る中で、自分も行きたいと思うようになりました。

その前に、高校の語学研修で2週間ニュージーランドに滞在し、現地の高校を見学する機会もあったので、少しイメージを持てていた部分もあるかもしれません。

そこで、高校2年生の後半からニュージーランドの高校へ編入しました。

高校卒業後、オーストラリアのグリフィス大学で中国語・韓国語を専攻

―高校卒業後、オーストラリアの大学へ進学を決めたきっかけを教えてください
もともと、大学はニュージーランドよりも都会に行きたいと思っていました。

さらに高校時代のホームステイ先で一緒に住んでいた留学生が、途中でオーストラリアのブリスベンにある高校へ編入して。

オーストラリアの話を聞いたり、長期休暇には実際にブリスベンにも遊びに行ったりする中で、知り合いもいる新しい場所に行きたいと思いました。

オーストラリアはニュージーランドよりも大学の数が多いので、選択肢が多い点にも魅力を感じました。
―グリフィス大学を選んだ理由は?
ブリスベンにある大学を検討していたところ、グリフィス大学のアットホームな雰囲気が気に入ったからです。

1年間のファウンデーションコースを経て、学部に進学しました。
―専攻について教えてください
中国語と韓国語を専攻しました。

高校時代、現地のニュージーランド人だけではなく、アジア圏の留学生とも仲良くなる機会がありました。

彼らとのコミュニケーションを通して、中国語や韓国語の会話をなんとなく理解し、簡単な自己表現もできるようになっていたこともあり、言語を勉強しようと思いました。
―高校留学と大学留学では何か違いを感じましたか?
高校ではホームステイ、大学ではシェアハウスに住んでいたので、生活スタイルが変わりました。その中で「物事は思った通りに進まない」と実感することもありました。

例えば不動産で契約をする時「連絡します」と言われても全く連絡が来なくて、結局自分から電話したり、訪問したり…

留学を通して「待っているだけではなく自分から行動する」ということが身についたと思います。

韓国の大学院へ進学し、ビジネスなどを幅広く学ぶ

―大学卒業後について教えてください
昔から漠然と大学院に行きたかった気持ちもあり、アジア圏や英語圏の大学院を幅広く検討した結果、韓国の大学院へ進学しました。
―学部で専攻していた中国語・韓国語圏も含めて、選択肢が多かったと思います。なぜ韓国へ?
大学院ではビジネスなどを幅広く勉強したいと考えていたところ、韓国の大学院に、国際関係学や経済などを英語で学べるコースがあったからです。

さらに授業料の面でも、他の国の大学院に比べて負担が少なく、最初の学期は無料、一定の成績を収めれば2学期以降も半額で学ぶことができました。

趣味のダーツをきっかけに、そのまま韓国で現地就職

―卒業後のキャリアについて教えてください
SEGA傘下のダーツゲーム関連会社である、ダーツライブの韓国支社へ入社しました。

学生時代、ダーツにはまった時期があり、色々なバーに足を運ぶ中で仲良くなった方がいました。ありがたいことに、そのご縁で声を掛けていただきました。当時、韓国支社に日本語が話せる人を配置したいという方針だったようです。

本格的な就職活動を始める前だったので、他の会社は検討していません。
―当時のお仕事について教えてください
営業部に配属され、飲食店などへの飛び込み営業やダーツマシンの設置、メンテナンス、撤去などに携わりました。

ダーツマシンはレンタル式なので、設置して終わりではなくメンテナンスが必要です。「マシンの調子が悪い」と急な連絡を受けて対応することもありました。

その他にも、ハウストーナメントと呼ばれるお店でのダーツイベントや、世界大会のような大規模トーナメントのサポートを行うことも。世界から人が集まるイベントでは、語学力を活かすことができました。

「語学を勉強して何になるの?」と言われることもありましたが、結果的に仕事に繋げることもできたので良かったと思います。

新たなキャリア形成を目指し再び学生に

―その後、ニュージーランドに戻ることを決めたきっかけを教えてください
大自然に囲まれ、人々の生活に心の余裕があり、時間がゆっくり流れているように感じる…やはりそういう場所に住みたくて、現地でのキャリア形成のために学び直そうと思いました。

高校・大学時代をニュージーランドやオーストラリアのような場所で過ごしたことは、自分自身の中で大きかったと思います。

年齢に関係なく挑戦できる場所で、学び続けていきたい

―留学の中で後悔していることはありますか?
永住権を目指すのであれば、年齢が若いほどビザのポイントも高いですし、もっと前にキャリアを決めれば良かったと思うこともあります。

ただ、そうは言っても年齢に関係なく挑戦できることが、オーストラリアやニュージーランドの良いところ。

例えば一定の年齢を過ぎた未婚の人に対して、アジア圏では「早く相手を探さないと」という風潮があります。一方、オーストラリアやニュージーランドでは「人生謳歌してるね、楽しんでるね!」と周りが反応してくれるも多いです。

僕は、留学は人生そのものだと思っています。留学の留は留まる、学は学ぶ。どこかに留まりながら、いつでも学び続けていきたいです。

取材後記

今回のインタビューは、ニュージーランド―日本のオンラインで実施しましたが、画面越しからも大らかな優しさが伝わる林さん。「このあと友人と飲みます~」と、ゆったり人生を楽しまれている様子を感じました。
そんな林さんを前に、私自身もオーストラリアを思い出して、懐かしく、そして羨ましくなりました…!

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