●面 香菜枝(Kanae Omote)さん
北海道出身。国内の大学を卒業し音楽系エンターテイメント業界で働いた後、マッコーリー大学院に留学。
通訳・翻訳修士を卒業後、シドニーにて、オーストラリア生活情報ウェブサイトJAMS.TV PTY LTDのプロジェクトコーディネーターとして就労。現在は株式会社REMARKのクライアントマネージャーを務める。

多国籍プロフェッショナル集団の中でインバウンドを担う、グローバルマーケター


―現在のお仕事について教えてください
REMARKは海外にもパートナーを持つインターナショナルなマーケティング会社で、社員はアメリカ人、カナダ人、オーストラリア人など多国籍な環境です。

コーディネーターやデザイナー、エンジニア、フォトグラファーなど各領域のプロフェッショナルが揃っているので、一気通貫のマーケティングが可能。

新商品のパッケージデザインやキャンペーン企画、タイアップ商品の制作、さらには社名やロゴ、webサイトのリニューアルまで全て請け負います。

日本人と外国人が働いているので、海外の企業の日本進出、逆に日本企業の海外進出において、海外の目線を取り入れたマーケティングが可能です。

私は、クライアントサポートを担当しながら新たにインバウンドサービス事業も立ち上げ、企画提案から実施、運用、管理に至るまでを色々な仕事をしています。

インバウンドで大事な視点は、日本人と外国人では選ぶものが違うということ。

日本人には当たり前の商品でも、外国人が感動して購入することがありますよね。

そこで、インバウンド消費のために注力するべき商品やSNS運用の方法、外国人をターゲットにしたイベント開催などをクライアントに提案します。

また、クライアントの海外進出をサポートすることも。

日本と海外では仕事の進め方が違います。例えば、日本には会社紹介に終始する営業スタイルがありますが、海外では基本的に提案ありき。

そこで、日系企業が海外の企業にアプローチをする際にフォローします。
―国際的な会社で、世界のクライアントを相手にビジネスを展開しているのですね!
でも実は、もともと英語は話せませんでした…!

大学時代のアルバイトをきっかけに、音楽業界で働く


―オーストラリア留学前は何をされていましたか?
コンサートのチケット管理や物販販売のシステム、ファンクラブの入会施策などを運用する会社で働いていました。

大学時代、音楽好きが高じてコンサートスタッフのアルバイトをしていたのですが、在学中から物販販売や案内、ケータリング、楽屋でのアーティストのケアなど様々な業務を経験する中でアルバイト先から声を掛けられ、大学卒業後も社員として働くことに。

顔認証システムやICカード入場導入などのチケット業務を中心に行い、著名なアーティストのツアーで全国を回っていました。

東京オリンピック開催決定を機に、オーストラリア留学を決意

―留学のきっかけを教えてください
東京オリンピックの開催決定です。

東京での開催が決まった瞬間、すごく感動して…「おそらく一生に一度しか経験できないことだから、自分の国を応援したい」と思いました。そして、そのために自分にできることを考えるように。

同じ頃、あるアーティストのツアーの仕事をしていて、アーティストの通訳の方とお話しする機会がありました。

その方から「音楽の知識も大事だけど、これからは語学も必要になるから勉強した方が良い」と言われて。

通訳の方が格好良かったことや、子供の頃に通訳に憧れていたこともあり、このタイミングで英語を勉強しようと留学を決意しました。
―留学先としてオーストラリアを選んだ理由は?
「オーストラリアはアメリカとイギリスの間にあり、色んなアクセントが交わる環境だから通訳に適している」という記事をインターネットで読んだためです。

通訳・翻訳コースを比較的短い期間で修了できる、シドニーのマッコーリー大学院を選びました。

最初の1年間は語学学校で学び、その後大学院に入学しました。

日本を訪れるオーストラリア人がこんなに多いなんて!

オーストラリアに留学したことで、たくさんのオーストラリア人が日本を訪れていることを知りました。

それに驚くと同時に、私自身が日本のことを十分に知らないと感じた部分も。そこで、もっと日本を知り世界に届けたいと思うようになりました。

マッコーリー大学院の専攻が通訳・翻訳だったので、在学中は翻訳会社でのインターンや通訳・翻訳のボランティアもしましたが、次第に、通訳・翻訳以上に観光業界に興味を持つようになりました。

大学院卒業後、現地の企業でインバウンド事業を模索

現地で知り合った方(後の上司)に観光業界への関心について話すと 「そんなに熱い気持ちを持っているなら、うち(JAMS TV)で働かない?」と言われ、オーストラリア人向けに日本の情報を発信するメディアや、広告代理店事業を担当することに。

メディア掲載の広告営業や、オーストラリア向けプロモーションを考えている日本企業と現地の企業を繋ぎ、コーディネートを行いました。

ただ私の留学の目的は、あくまで東京オリンピックに向けて日本で働くこと。

早く日本に帰国したいという気持ちもあったので、JAMS TVではワーキングホリデービザを利用し個人事業主という形で働きました。

日本に帰国後、国内のオーストラリア市場を1人で回る

ビザが切れるタイミングで帰国を決めましたが、JAMS TVから「帰国後も日本担当として働いてほしい」というオファーがあり、引き受けることに。

日本担当といっても支社はなく、日本で働くのは私1人。

これまでの業務に加えてファムトリップ(インバウンドサービスを体験し、海外に発信してもらうためのモニターツアー)の対応なども行いました。

日本で直接会える、オーストラリアの最新情報を伝えられるという強みを活かし、日本国内の何百社もの方々とお会いしました。

REMARKに入社し、より本質的なマーケターへ


―今働いているREMARK入社のきっかけを教えてください
日本でオーストラリア市場を1人で回っている女性は、かなり珍しくて(笑)。そんな私のことを知ったREMARKの方から誘われました。

入社の決め手は、JAMS TVの仕事を通して感じていたインバウンドの課題を、REMARKの事業が解決できると思ったことです。

日本には「英語のwebサイトがない」「SNSや口コミにどう返信すれば良いか分からない」など、商品購入までの仕組みが整っていない企業も多いと感じていました。

JAMS TVは発信力のあるメディアを持っていますが、そもそもメディア掲載で認知度を上げる前の段階のサポートが必要では…と考えていた時、ちょうどREMARKに声を掛けていただいて。

また、インバウンドのプロモーションにあたって、海外のデザインの感覚など、外国人の目線をもっと知りたくなったという理由もあります。

REMARKの多国籍チームで働くことによって、1人では得られない知識やノウハウを学べると思いました。
―実際に働いてみて、どうですか?
マーケティングのプロが揃っている会社なので、最新のマーケティング手法をいち早く知ることができます。

特に、英語の情報は日本語よりも格段に多いので、英語の情報がすぐに手に入る環境は成長に繋がりやすいです。

また外国人とのビジネスや交渉で、私が1人で訪問する場合と、外国人が同行する場合に違いも感じ、興味深いですね。

インバウンド業界では特に、海外の目線が重要です。同じチームに外国人がいてクライアントに直接話せることは、強みになると思いました。

どんな状況でも、日本を好きになってもらうために


―東京オリンピックが延期になりましたが、どんな気持ちで働いていますか?
現在、新型コロナウィルスの拡大でインバウンドは壊滅的と言われていますが、東京オリンピックが延期になったことで、準備できることはあるのではないかと思っています。

コロナでインバウンドは考えられないと思っているかもしれませんが、オンラインで世界は繋がっています。

まずは、国内外に問わず、Webプロモーションや、SNSの基礎をしっかり学ぶこと、そしてプロモーションはすぐ結果に繋がらないので基盤をつくることが大事だと思っています。

REMARKは海外の最先端のデジタルマーケティングを取り入れているので、少しでもお役に立つことができればと動いているところです。

留学では、英語×強みを持つことが大切

―留学において大切だと思うことは何ですか?
まずは、目標と期限を持つこと。私の場合「早く帰国しないと東京オリンピックに間に合わない!」という気持ちがあったからこそ、留学中に頑張ることができました。

それから、もちろん英語も大事ですが、英語に加えて何かしら強みを持つことも大切です。

私は観光が好きだったので、英語×インバウンド、英語×マーケティングを軸に仕事をしてきました。

英語以外にもできることがあれば、卒業後のキャリアに繋がりやすくなると思いますよ。

ちなみに私自身、日本で社会人経験を積んでから留学したからこそ良かったと思うことも。もし留学に迷いがある場合は、一度日本で就職してみても良いかもしれないですね。

取材後記

オーストラリア大学院留学で身に付けた「英語力×インバウンド事業」という強みを武器に、国内外のビジネスの前線に立つ面さん。迷いなく話す姿は、キャリアウーマンとしての強さを感じました。一方で、日本人として自分の国のために何かしたいという、熱い心と優しさに溢れる面さんは、実はとってもお茶目で素敵な方!新型コロナウィルスで苦しい中でも、ぜひ日本の素晴らしさを海外に伝えていってほしいですね。

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