●小山 泰暉(Taiki Koyama)さん
東京都出身。都内の高校を卒業後、クイーンズランド大学の語学学校、ファウンデーションコースを経て学部でITを専攻。卒業後は世界的クラウドプラットフォームのサポートエンジニアとして働く。アイルランド在住。

顧客の「Real Problem」に応える、サポートエンジニアという仕事

―現在のお仕事について教えてください
クラウドプラットフォームのサポートエンジニアとして働いています。簡単に言うと、クライアント企業がより良いシステムやアプリケーションなどを作るためのサポートです。

webサイトやアプリケーションのようなシステムを運用するためには、サーバーが必要です。ただ、その維持管理にはコストがかかり、技術の変化のスピードに対応することも大変です。

そこで僕が働いている会社は、データセンターという場所でサーバーを管理し、クライアントが必要な時に必要な量を利用できる仕組みを提供しています。

僕の仕事は、エラーメッセージなどの障害が発生した際、障害の原因を調査してクライアントへご案内することです。場合によっては、再発時の対処方法や、再発を防ぐためのより良い利用方法などをご提案することもあります。

ちなみに業務は日本のクライアントのサポートですが、僕自身はアイルランドのダブリンで働いています。

時差を利用して24時間体制のサポートを実現するため、日本のサポートエンジニアは、東京・シアトル・ダブリンの3都市に配属されています。


―世界レベルのサポートはスケールが大きいです!仕事で苦労することはありますか?
わずかなやり取りの中で、クライアントが抱える本質的な問題を把握し、最適解を考えることです。社内では「Real Problem」と呼んでいます。

例えば「障害を調査してほしい」という問い合わせに対応する場合、Real Problemは障害が起きたことそのものではなく、その障害によって発生する不利益です。webサイトにユーザーがアクセスできないことが問題なのか、社内報告書のために調査が必要なのか…それによってアプローチも変わります。
―「エンジニア=ものづくり」のイメージが強かったので、小山さんのようにお客様に寄り添う姿勢は新鮮です。
技術的に勉強しなければいけないことはまだまだたくさんありますが、お客様に対する考え方は、オーストラリア留学中に学んだことが活きているのかなと思います。

オーストラリアの大学では「クライアントが本当に使いたいものは何か」という視点を勉強する機会もありました。これは今の業務はもちろん、会社全体でも重視されている考え方で、留学の経験が役に立っているかもしれません。

人工知能を学び宇宙産業で働きたい!オーストラリア留学を決意


―留学のきっかけを教えてください
将来やりたいことを考える中で、英語とプログラミングを身に付ける必要があると思ったことです。

もともと宇宙産業に関わる仕事をしたいと考えていて、宇宙工学などを勉強できる大学への進学を志望していました。わくわくできて、興味を掻き立てられる分野なんですよね。

そして、宇宙に関わる仕事の中で特に興味を持ったのが、人工知能。人工知能のスペシャリストとして、探査機や宇宙船の自動操縦などのソフトウェアを組めたら純粋に面白そうだと感じました。

そこで、最初は「まず日本でプログラミングを勉強しながらお金を貯めて、20代のうちに海外の大学へ行きたい」と考えていました。

ところが、そのことをある日ふと父に話したところ「じゃあ、今から行ってこいよ」と。
―留学先としてオーストラリアのクイーンズランド大学を選んだ理由は?
まず、父の知り合いがオーストラリアのブリスベン近郊に住んでいて、ブリスベンを勧められました。

さらにほぼ同じタイミングで、オーストラリア留学センターへ行った母が、ブリスベンにあるクイーンズランド大学の語学学校でキャンペーンがあることなどを教えてくれて。

父、母、僕は、留学について各自ばらばらに調べていたのですが…なぜかたまたまそんなことが重なって、僕もオーストラリア留学センターに話を聞きに行き、気付けばブリスベンにいました(笑)

クイーンズランド大学の語学学校とファウンデーションコースを経て、学部へ進学しました。
―留学生活について教えてください
クラスメイトは様々な国からの留学生が多く、年齢層も幅広かったです。社会人として働いた後、学び直しで入学する人も見受けられました。

ファウンデーションコースで出会った日本生まれの中国人の友人とは、学部も一緒でした。僕自身はもともと英語に苦手意識があったのですが、積極的な彼のお陰もあって、グループプロジェクトなどを乗り切ることができました。

また彼を通じて、ITを学ぶ中国人留学生たちと交流し、情報を得ることなどもできました。

オーストラリア留学中はリモートで有給インターンも

留学中は、有給インターンも経験しました。

日本のインターン募集サイト経由で何社か応募し、長期休暇に一時帰国したタイミングで面接。

「教えてもすぐにオーストラリアに戻ってしまう」という理由で不採用になることも多い中、リモートワークを認めてくれた会社と縁があり、学部2年目から社会人になる直前まで働きました。
―インターン先での具体的な業務内容を教えてください
クライアント企業の社内用アプリケーションのプロトタイプ作成に携わりました。

インターン先は少数精鋭のプロフェッショナルが集まる企業で、とても勉強になりました。特に、アプリケーションの使いやすさを重視する会社だったので、「お客様にとって本当に良いものは何か」を常に意識することの大切さや姿勢を学ばせていただきました。
―インターンでの経験は、小山さんの今のお仕事にも活きていると感じます!

就職活動は給与提示のため!?インターン先の上司の言葉に押され、現職へ

―就職活動について教えてください
実は、卒業後はインターン先に就職したいと考えていたので、就職活動に対してあまり熱心ではありませんでした。

就職活動をしようと思ったきっかけは、最終学年を迎える直前に、インターン先で何気なく就職活動について話していた時のことです。酔った勢いで社長が「内定を獲得した会社のうち、給与が一番高かった会社よりも年収を払う」と言ってくれて、「じゃあ就活やります!」と(笑)
―そもそもインターン先への就職が前提で、高い給与額を提示してもらうために就職活動を始めたというということですか?笑
はい(笑)そこで、ボストンキャリアフォーラムのみ参加しました。現地ボストンに行ってみたい気持ちもありましたし、興味のある企業もいくつかあったので、試しに受けてみることに。

とりあえず内定を獲って給与を提示してもらえばいいやと思っていたので、年収目的で、ITとは関係のない外資系金融の職種などにも応募しました(笑)

そのような中で内定をいただいたのが、今の会社です。
―最終的にインターン先ではなく、今の会社を選んだ理由を教えてください
インターン先の事業部長の言葉が印象的でした。

「日本の新卒は、能力値ではなく期待値で見られる。これは能力以上の場所で色んな人たちとつながりを得るための素晴らしいチケットで、逃すのはもったいない」と言っていただき、それなら一度外へ出てみようと、今の会社に入社しました。

念願の宇宙産業に携わるチャンスも!ビジネス英語も勉強していきたい

―これからやりたいことは?
今の会社には様々な仕事があり、宇宙事業やビジネスインテリジェンスのプロジェクトをクライアントと一緒に進めるポジションもあるので、チャレンジしてみたいです。
―留学前から興味のあった分野に携わるチャンスもあるのですね!
はい。ポジションごとに勤務先が違い、アメリカやロンドン勤務などの可能性もあります。その時にビジネス英語ができるよう、今から語学も勉強し直していきたいです。

選択肢がtwo way doorなら、まずやってみたらいい

―これから留学する方にアドバイスをお願いします。
やりたいと思ったことは、やってみたらいいと思います。

ボストンキャリアフォーラムでの面接の時、今の会社のマネージャーから言われて感動した言葉があります。

それは「自分たちの目の前にある選択肢は、one way doorとtwo way doorに分けられる。前者は行ったら帰ってこられないけれど、後者は戻れる。選択肢が後者なら、まずやってみたらいい」ということ。

一見one way doorのように見えても、意外とtwo way doorということもあるので、気軽に考えていいのではないかと思います。

例えば留学も、しっかり計画を立てて決めるとone way doorのように思えますが、意外と途中で逃げることもできるので(笑)
―たしかに、いざとなれば帰国できます…!我慢が必要な場面もあるかもしれませんが、構えすぎず挑戦することも大切ですね。ありがとうございました。

取材後記

原稿チェックの際、小山さんの名前を「泰”輝”」と間違えてしまったのですが…「泰”暉”です!菅田将”暉”と検索すると出てきます!笑」と教えてくれた小山さん。
相手が困りそうなポイントを先回りして、分かりやすくユーモラスに案内してくれるとはさすがサポートエンジニア!と思いました。
これからも軽やかに世界へ羽ばたいてほしいです!

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