●板垣 詩織(Shiori Itagaki)さん
新潟県出身。県内の中高一貫校を卒業後、南オーストラリア大学語学学校、ディプロマを経てビジネス学部でマーケティングを学ぶ。 卒業後は日系大手保険会社の国際部で働く。

オーストラリア担当として、夢だった海外出張!


―現在のお仕事について教えてください
世界各国に支店や現地法人を持つ保険会社の、国際部で働いています。

昨年はオーストラリア、今年はニュージーランドとハワイも担当に加わり、現地法人とやり取りしながら事業推進に関わっています。
―どんな事業に取り組んでいますか?
大きな課題はデジタル化です。日本の保険業界は未だに対面販売が多いですが、海外ではオンラインが主流。

今働いている会社でも、システムを新しくするIT刷新が求められています。
―お仕事で大変なことは?
1つの会社のように機能している部署なので、業務範囲が広いことでしょうか。

例えば、一般的に契約書は法務部に回しますが、私の部署では、英語でのやり取りが発生するため部署内で対応します。

事業方針などの重要な会議に出席させていただく機会も。内容が難しいので、会議後に先輩に質問したり、自分で財務の勉強をしたりしながら、頑張ってキャッチアップしています。

大変だと感じることもありますが、色々な経験ができて勉強になっています。
―逆に楽しいと感じることは?
海外出張です!システムを変えるにあたって、現地に足を運び状況を確かめる必要もあるので、頻繁に出張される先輩もいます。

今年はコロナの影響でまだ行けていませんが、私も入社してから研修でイギリスに1回、仕事でメルボルンに3回行きました。

小さい頃から父が仕事で出張に行く姿を見ていたこともあり、海外出張に行くことが夢でした。憧れていたことができる思うと、頑張れます!

「日本人がいるなら、海外の大学に行ける!」語学学校→ディプロマ→学部留学へ


―留学のきっかけを教えてください
もともと漠然と海外に興味を持っていましたが、本格的に留学を目指すようになったのは高校2年生の時です。

学校のプログラムで、2週間ゴールドコーストに滞在しました。初めての海外でしたが、帰りたいと言っている友達もいる中、私はホームシックにもならずとても楽しかったことを覚えています。

プログラム期間中、ブリスベンにあるグリフィス大学のキャンパスを見学し、日本人留学生の方のお話を聞く機会がありました。

それまでは、海外の大学に進学するなんて無理だと思っていましたが「実際に日本人がいるなら、私も行けるのでは?」と感じ、留学を考えるようになりました。


―南オーストラリア大学を選んだ理由は?
時差がないことや治安の良さに加えて、一度行ったという安心感もあり、まず留学先として選んだのがオーストラリア。

その中で、マーケティングを強みにしている南オーストラリア大学を選びました。

将来仕事で英語を使いたい、海外で働きたいと考えた時に、どの業界でも必要となるマーケティングを勉強すれば可能性が広がると思いました。


―語学学校、ディプロマ、学部で勉強していますが、それぞれ違いは感じましたか?
語学学校からディプロマ、学部に進むにつれて課題やエッセイの文字数が増えましたが、一番大変だと感じたのはディプロマかもしれません。

アジア人の留学生が中心で馴染みやすかった語学学校とは違い、ディプロマではネイティブの学生とグループワークをする機会もあって。

英語に自信がないままディプロマに入学したので、最初はグループのメンバーが何言っているか分からなかったり、自分の意見を言えなかったり…学校に行きたくないと思ったことも。

ただ、徐々に自分の成長を感じることができました。

もともとプレゼンテーションが苦手で、語学学校の時は話す内容を暗記して注意されていたのですが、ディプロマでは慣れてきて、学部に進学する頃にはスムーズに話せるようになりました。


―印象に残っている授業はありますか?
オンラインで会社を経営する授業です。車のデザインや値段を決めて仮想空間で販売し、グループで売り上げを競う内容でした。

働いたことがないので、何が売れるのかなど想像がつかず…

クラスには社会人経験のある方や子育てをされている方もいたので、グループのメンバーをはじめ周りに助けてもらいました。

オーストラリア留学センターでインターンシップも

現地で知り合った日本人の方の繋がりで、在学中は、オーストラリア留学センターのアデレード支店でインターンシップも行いました。
―お仕事の内容について教えてください
主な業務は、アデレードに関する情報提供。

留学やワーキングホリデーでアデレードに到着した日本人のために、銀行口座の開設方法やメトロカードの使い方など、生活に必要な情報をレクチャーしたり、現地の学校に行って体験記事を書いたりしました。

【体験授業】プロフェッショナル英語コース@IELIシティーキャンパス
・板垣さんの書いた記事一覧はこちら

オーストラリア留学センターのインターンシップはとても楽しくて勉強になり、南オーストラリア大学卒業後も半年間働きました。

在学中に日本の会社で内定が決まったのですが、8月の卒業から4月の入社まで時間があったので、せっかくならオーストラリアに残ろうと、卒業ビザを活用しました。

留学生向け就活サイトを使って、海外と関わる仕事へ


―就職活動について教えてください
マイナビの海外大生向けサイトに登録しました。

そうすると、1次面接は学期中にSkypeで、2次面接は帰国のタイミングに合わせて、複数企業と1日で行うことができます。

大学の夏休み期間中に帰国して面接を行い、今の会社から内定をいただきました。
入社の決め手は?
海外と繋がることができる会社を志望していたので、若手を積極的に海外に出すという方針に惹かれました。

まずは別の部署で経験を積んでから…という会社もある中、私は「すぐに海外に行きたい!」と思っていて。

今の会社は、グローバル事業にちょうど若手を採用し始めた時期だったので、良いタイミングで入社することができました。

オーストラリア留学の経験は、仕事のコミュニケーションや心の余裕に繋がっている


―オーストラリア留学の経験が活きていると感じることはありますか?
海外経験のある上司が多く、オープンな雰囲気があるからかもしれませんが、仕事で上下関係を気にせず自分の意見を言えていると思います。

それからオーストラリア担当としては、アデレードに住んでいたと言うとローカルの方と話が弾みます。

また日本を客観的に見ることができるようになるので、日本で当たり前だと思われていることを鵜呑みにせずに疑問を持てたり、心に余裕が生まれたりしませんか?満員電車を「乗らなくていいや」って見過ごす、みたいな(笑)

―分かります…!私も留学後は「そんなに必死に電車に乗る必要ある?」と思うようになりました(笑)

留学は、仕事でもプライベートでも選択肢を広げてくれる


―板垣さんにとって、留学とは?
将来の選択肢が、仕事やプライベートなど何でも広がると思います。

もちろん、履歴書に書くために留学するわけではありませんが、海外の大学を卒業しているということは、自分を大きく見せてくれると思っていて。

例えば、私は留学していなかったら今の会社には入れなかったと思います。750人いる同期の中で、国際部に配属されたのも私だけでした。
―経歴として目立つので、周りから期待してもらえる面がありますよね
期待に対して「留学で色々乗り越えたから大丈夫」と思える自信もつきました。

仕事だけではなくプライベートでも、各国にできた友達の元に遊びに行けて楽しいです。私も卒業後、アデレードをはじめ韓国、台湾、香港などに住んでいる留学時代の友人に会いにいきました。

現地の会社に挑戦して、ビジネス英語に触れる機会を


―留学を考えている学生にアドバイスをお願いします
私は社会人になってからビジネス英語に苦労したので、留学中に勉強しておくと良いと思います。

ある程度英語が話せるようになると、生活や友達に不自由がなくなり満足してしまいがち。でも、働く上で必要となる英語は、もっとレベルが高いです。

もしカリキュラムの中に現地の会社で働ける機会あれば、挑戦してみても良いかもしれません。

留学当時、私は単位を落とさず卒業することを考えるあまり、そういう授業は大変そうだからと避けてしまったのですが…海外で働くイメージを持てたり、ビジネス英語に触れたりできる機会になるかもしれないですよ。
―留学経験を活かし、お仕事で英語を使っているからこそ分かる貴重な教訓ですね。ありがとうございました!

取材後記

妹にしたくなるような笑顔が素敵な板垣さん。留学中のグループワークやお仕事で「周りに助けられた」とお話されていましたが、どんな場所でも周りから可愛がられている姿が目に浮かびました。会社のグローバルを担う期待の若手として、これからも頑張ってほしいです!

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